<   2004年 11月 ( 17 )   > この月の画像一覧
テンプレ・デュシャン
b0039876_1351473.jpg

見るか、やめとくか。悩んでついに見た。デュシャン展。

万博公園から中ノ島に移転オープンした大阪国際美術館。実は常設展と館内はチェック済みだったのだが、企画展のほうを見るか迷っていた。見たら減る んじゃないかと恐れていたのだ。

デュシャンは私のアイドルだ。私にとって好きなアーティストやプレーヤーというのは、イコール作品やパフォーマンスで、その成果を離れた個人についてはそんなに興味がない。しかし、デュシャンだけは、そのパンクな存在そのものがカッコイイのだ。それは、デュシャンに「鑑賞すべき作品」というものが少ない、エポックメーキングな「作品」の多くがそれを鑑賞する意味をもたないからというのもある。パンクはアティテュードだ とすれば、デュシャンの魅力も、その 作品より彼の芸術に対峙する姿勢なのだ(と勝手に思っている)。

つまり、なんだかだ言って「半端な作品を見たら目が腐る」とか「せっかくカッコいいデュシャンの行為が普通の美術館展示になってたらヤダ」という低レベルな話なだけだ。

数少ない「鑑賞」できる作品「階段を降りる裸体」は名作の風格が漂う。しかし東大の「大ガラス」、京都近代美術館の「レディメード」群、プロジェクターで映し出した扉の向こうの写真を立体めがねで覗く「遺作」をどう見ればいいのか。いつか、フィラデルフィアで見るのが夢だった「遺作」をこんなので見ていいのかよ?でも、これもデュシャンだ。思いっきりデュシャンだ。作品?そんなものどうだっていいじゃないか。意味ねーんだよ。

最後のコーナーには、多くの作家のデュシャンへのオマージュ作品が並ぶ。それらは、デュシャンがやってきたパンクな行為のイコンを自分たちの手法と発想で踏襲した高度な「複製作品」だ。要するに2chでやっている「テンプレ芸」のアート版で、テンプレとなっている元の作品は、骨子だけだったり、オリジナルがよくわからなかったりしているものだ。なるほど、中身が空虚なテンプレートこそ革新であり真髄であるということがこのコーナーでイヤというほど分かる。やはり偉大だ。デュシャン。

会場は、早い時間にもかかわらずかなりの人出で、現代美術に詳しい人たちや、親子連れ、年配のカップルなどが、それぞれ楽しげに鑑賞していて、明るい雰囲気がいい感じだった。新しい美術館のこけら落としとして、幅広い観客に、現代美術の展覧会で何を感じればいいのかを提示するいい企画だと思う。

個人的には、日本にある引っ張ってきやすい作品を集めたなという感じはあったが、グリーンボックスやホワイトボックス、作品トランクなども見られて楽しかった。遺作は、立体的に見せるなら「落ちる水」の動きを見せてほしかった!
[PR]
by radionova | 2004-11-30 01:43 | Art
ヘルツォーク&ド・ムーロンだった

昨日貼った北京オリンピックのスタジアムのデザインはヘルツォーク&ド・ムーロンだそうだ。知らんかったがそういわれれば。テムズ河畔のTATE MODERNや、南青山の(違法建築)プラダのショップで知っている人も多いだろう。

スタジアムについては、ここに日本語の詳しい記事がある。
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/200401/teji-2.htm
メーンスタジアムの「中国国家体育場」のプランが決定した。それは、中国とスイスの建築士が共同設計した「鳥の巣」案である。

2002 年11月、中国建築設計研究院は、スイスの建築事務所と協力して設計連合体を設立し、メーンスタジアムの設計コンクールに参加することを決めた。中国側の設計は、李興鋼氏を主設計士とすることが決まった。スイス側から設計に参加したのは、「建築の世界のノーベル賞」と言われるプリッカー賞の2001年受賞者である建築家、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンの両氏である。

あくまでも中国先導の形での合作ということのようだが、各所にテクスチャーにこだわった斬新な仕様が施されているのは、ヘルツォーク&ド・ムーロンの真骨頂というべきだろう。
外観から見れば、この巨大なスタジアムは、木の枝で編んだ鳥の巣と非常に似ている。赤黄色のお碗の形をしたスタンドは、北京・故宮の黒灰色の城壁内に屹立する赤い壁の雄大な宮殿にそっくりだ。「鳥の巣」を構成する灰色の鋼鉄製ネットの形は、遠い昔の商(殷)代の彩陶文化を再現したもののように見える。

建築の材料の制約から、これまでのスタジアムには強い光の影ができ、ゲームの中継や試合そのものに一定のマイナスの影響をもたらしてきた。しかし「鳥の巣」は、半透明の材料を採用し、これを通って光線が柔らかくなり、光の影がもたらす影響を避けることができる。

また、開閉できる移動式の屋根も、この「鳥の巣」のもう一つの特色である。それを閉めると、スタジアムは密封された全天候型のグラウンドになる。専門家の話では、「鳥の巣」は完成すれば10万人を収容でき、世界で最大の開閉式屋根を持つスタジアムとなるそうだ。

ただ、華やかなイベントとともに着工したこの施設も、いまのところ7月末に工事が中断したまま。やはり、デザインの落とし込みが難しいようだ。(だからできる前からあんまりぶち上げなさんな)
当初の予定では、これら三つの施設には、最新の技術が用いられるなど、デザイン重視の建設が難易度を高めた一方で、安全面の機能が重視されていないと指摘されてきた。そのため、北京市発展計画委員会は、開閉式屋根の建設中止や鋼材消費量の削減などを通じて、五輪施設建設の「スリム化」計画を実施。現在までに具体的な成果が出始めているとしている。
いきなり、開閉式屋根がなくなり世界最大とはいえなくなってザンネンでした。やっぱり出たか安全性への疑問、南青山の物件もこれをクリアしたらあのデザインにならなかったというもっぱらのウワサだし。さあ、どこまで彼らのデザインコンセプトを生かした施設になるのか、ちょっと意地悪くも楽しみである。


■ヘルツォーク&ド・ムーロンは、この20日にリニューアルオープンしたニューヨークMoMAのコンペの最終選考にも残っている。ちなみに採用されたのは日本人アーキテクトの谷口吉生さん。http://www.moma.org/expansion/charette/architects/
[PR]
by radionova | 2004-11-27 00:13 | Olympic
アジアの未来感
b0039876_392642.jpg
北京市オススメの案はコレ。ちょっとキモいしメンテに金かかりそう

2008年北京オリンピックのスタジアムデザイン案が素敵だ。
http://www.bjghw.gov.cn/forNationalStadium/indexeng.asp

どの案も、なんというのか、宇宙から飛んできそうな未来感。大阪万博っぽいというか、パスト・フューチャー感あふれる、いろんな意味で楽しみな案ばかりだ。アジアで開催される巨大なワールドイベントのイコンとなるには、これくらい恥ずかしくイッちゃってもいいかもしれない。

EURO2004のスタジアムはどこもカッコよかった。たとえばココとかまるで超人オリンピックの会場だったし。見た目というよりコンセプトがアバンギャルド。ドイツのフットボールスタジアムも、ワールドカップを前に続々と改築されている。こっちは、地下に巨大なビールタンクが設置されてるのがあったり、やっぱりそれぞれ面白い。

あ、関係ないけど最初のサイトにある competation っていうスペルは、建築用語?知ってる方があったら教えていただきたい。
[PR]
by radionova | 2004-11-26 03:13 | Olympic
時代遅れとアンティークの分岐点
b0039876_23484637.jpg
100年ちかく前の写真と全く変わらないホテルのバー。格調高いカンファタブルな空間だ

古いもの、とくに住居や店舗など日々使っている建物を昔のまま残していくことは並大抵でない努力が要るはずだ。たいていの物件は、その時代、その時代の役割を終えて新たに生まれ変わる運命である。ただし、いつの時代にも古くさくならないほど優れたもの、時代遅れではあっても引き継ぐ価値があるものは残される可能性がある。ただしそれはよほどの好条件が重ならないと難しい。文化財的価値があると誰もが認めながら、それでも消え去ってしまうものがほとんどなのだ。

建築当時のデザインや年月を経た素材の味わいは、新たに作ることができない。「時代遅れ」が「アンティーク」にまで醸成された奇跡的な空間に身をおくことの楽しさ、最近そういう古いものの持つすばらしさを評価するひとは、若い世代を中心に確かに増えている、と感じる。
[PR]
by radionova | 2004-11-24 23:51 | Old but Fresh
Mary J Blige で売れるのか?
b0039876_1153663.gif
昨日ちょっと書いたように、GAPは次々とスターを登場させて楽しいCMを提供してくれている。LL Cool J の昔(96~7年頃?)からずっと続く、結構渋い人選のカッコイイCMは、しっかりブランドイメージとして世界に膾炙しているだろう。

私もGAPのCMはキライじゃない、というか新しいCMを見るのがとても楽しみだ。あのCMのセンスがGAPというブランドに対するイメージにつながっている。にもかかわらず、GAPの商品を買う気は全くおこらないのだ。あのデザインと品質にして価格は一人前。MUJIやUNIQLOのほうがナンボかマシだろう。

やはり、モノあってのブランド。ブランドイメージを構築することだけで、中身に魅力がないといつまでも消費は付いてこないだろう。でも、東京なんかではクォリティが伴わなくても、一見の客だけを相手に商売は回っていくからなあ。
[PR]
by radionova | 2004-11-23 00:17 | Brand
土佐堀川、冬の朝
b0039876_1193449.jpg

テレビを見てるとすでに年末CMばかりで気分が落ち着かなくなる。もう冬だ。GAPのクリスマスCMも流れ始めた。 Best of My Love 、Mary J Blige やん!こっちのアニメではWill Smith と一緒に Got To Be Real を歌ってるようだ。いや、押しも押されもせぬトップシンガーだねえ。
[PR]
by radionova | 2004-11-22 01:19 | Place
西梅田のフーゴバル
b0039876_1141055.jpg
瞬く間にブランドショーケースとなった西梅田。ところでこの時計、中身もこのブランド?

その昔、通路でしかなかった西梅田の地下には、多くのホームレスが陣取っていた。私が気にしていたオッサンは、いつもダンボールを身にまとっており、そのアバンギャルドな風体を「西梅田のフーゴバル」と呼んでいたものだ。憂いのある容貌で物思いにふける「難波の芥川龍之介」、道路に並んでいる宣伝用の旗を器用に縫い合わせたジャケットを着こんだ「堂島テーラー」など(失礼だが我々は気になるオッサンたちを、親しみをこめてそう呼んでいた)ユニークな人々が街角の風景になっていた時代だ。

大阪駅を南に出た西側、西梅田地域で進んでいた一連の開発は20年かかって形になってきた。かつての寂しく小便臭い西梅田に、きらびやかな大型ブランドショップが連なる。東京で続々進む巨大な開発とは比較しようもないが、地域のイメージの変わりようのあまりの落差は笑えるほどだ。

「西梅田」とネットを検索してみても、この街に対する思い入れを語ったサイトやblogは見当たらない。それくらい長らく物語のない場所だったということだ。ここで様々な物語が立ち起こるのはこれからだ。「フーゴバル」が佇んでいた時代の匂いが消え去ってしまうのは少し悲しくもあるが、高級ブランドショップの店内が、阪神地下食のようなにぎわいなのがやっぱり大阪らしい。sony のショールームではゴージャスな格好のオバサマが大声でおしゃべりしながらVAIOを触ったりしている。やはり新しい西梅田にもわくわくするのだ。


西梅田地域オオサカガーデンシティの概要
謎のダダイスト、フーゴ・バルといえば、音韻詩"ガジベリビンバ"。オリジナルを聞くならココで。
[PR]
by radionova | 2004-11-21 23:45 | Place
はじめてやることに意味がある

うわー物々しい。PSP実物駅貼り広告。アイデアを実現てしまうのはすごいけど、運営がどうなってるのか知りたいな。
[PR]
by radionova | 2004-11-16 02:11 | Media
8pm 8/8/08
b0039876_185896.jpg
そういえばこういう中国モノも八角形

2008年開催の北京オリンピックは、中国で縁起のいい「8」並びの 8月8日の午後8時に開幕したい。そう北京市長がいってるとトリノの公式サイトのニュース。「Chinese lucky number chosen
The Games will start at 8pm on the 8th of August giving a combination of 8/8/08. The number 8 is considered by the Chinese to be the luckiest number, because it is pronounced "ba", which is similar to "fa" that means wealth in the Cantonese dialect.
「八」は末広がり。中国では同じ音の「発」につながるというラッキーナンバー。この記事の"fa" って「発」とは違う言葉なんだろうか?

実は北京大会の開会は、当初8月下旬の予定だったらしい。それが、気温40度を越える8月初旬に前倒しになった。ラッキーナンバーを選んだっていうのはきっと言い訳で、ホントはアメリカのテニスUSオープンやMLBとバッティングしないような配慮なんだとか、どうだとか、BBCは書いてる。気の毒なのは選手たちだな。

ちなみに、中国では こんなのも 888m、88km/hなんて8並びにこだわってる。さすがに88人乗りというところまでゲンをかつぐのはやっぱりムリだったか。
[PR]
by radionova | 2004-11-16 01:25 | Olympic
クリエイターは「遊ぶ」。子どものごとく
b0039876_216280.jpg
アラン・ケイによるプレゼン。もちろんSqueak

カリスマ・アーティストのライブへ行ってきた。60年台末に「パーソナルコンピューター」という概念を提唱したコンピュータサイエンス界のファンタジスタ、アラン・ケイのワークショップ。もちろん私は単なるスター見たさのただの観客だ。

このワークショップは、アラン・ケイが稲盛財団の京都賞を受賞した記念行事として開催された。京都賞受賞についてはニュースで大きく伝えられているが、彼がいま京都の公立学校でコンピューター教育の実践をおこなっていることはあまり知られていないかもしれない。京都大学や京都市教育委員会とともに、アラン・ケイプロジェクト という「Squeakプログラム」を使った布教に忙しいのだ。

いや、「布教」というのは、これまで私が抱いていた先入観だ。このプロジェクトの底にあるのはSqueakというプログラムを教材として広めようという活動なんじゃないかとイメージしていたのだ。先生、関係者のみなさんごめんなさい!!

今回、簡単ながら彼の話を聞いて、この人が「ダイナブック構想」の頃から一貫して子どもの知的活動支援のための「ファンタジー増幅装置=パーソナルコンピュータ」というコンセプトを唱えていることを思い出した。アラン・ケイが、いま何より期待を寄せているのは「子どもが持っている無尽蔵のクリエイティビティ」でしかないのだろう。この地球のもっともパワフルな資源を、さまざまな分野で大きくジャンプさせるため、正しい「数学」や「科学」を身につけ、コンピュータという道具を有意義に使いこなすことが、これからの教育が行うべきことなのだ。
「大概の教育はまがいもの。子ども達はクリエイティブだ。既存の教育の枠にはまらないからといって、才能ある子ども達が苦しむということがあってはならない。それは心理的殺人行為だ」
頭が良すぎて小学校の教室から放り出されたり、校庭でぶたれたという天才異端児、アラン・ケイは(『思考のための道具』)、いままで学校教育のせいで葬り去られた幾多の才能資源を掘り起こすことが、人類に対する自分のミッションとしているのかもしれない。

ただ、疑問に思うのは、小学校の子どもに「数学」を教えることが彼らの創造性をはぐくむことなのかということだ。アラン・ケイは言う「数学とはアイデアなのだ。アイデアなら小学生でも使うことができる」。ほんとうの数学とは、公式の暗記ではなく、数という抽象概念をつかって、いろんなことができることを知るということなのだろう。そういう単純だが高度な概念を、遊びながら体感していくのがSqueakの役割なのだな。ただしすごく難しそうだ。教える側が。
「天才的なミュージシャンやスポーツ選手、学者などが成し遂げているクリエイティブなことがらは、みんな遊びの延長。学校教育ではなく遊びからしか本当に自由な発想は生まれてこない。たとえば、アメリカ人でコンピュータサイエンスの分野のクリエイティブな仕事をしている人は、標準的教育から外れた人」
学校をドロップアウトしてミュージシャンをやっていたこともあるアラン・ケイはあらゆる意味で生粋のアーティストなのだろう。だからこそ教育や社会に受け入れられないアーティストのジレンマも分かる。
「アーティストとは誰もサポートしてくれないものだ。就職できないような分野では親だって反対する。子ども達の創造性を伸ばすには、もっと社会がクリエイティブになる必要がある。社会の2/3が同じ意見をもたないと動いていかないのだ」
アラン・ケイなぜ京都にいるのか?その理由がここにある。いま京都には彼の「妄想(ファンタジー)」を現実化しようと協力するパブリックな組織やオーソリティ、さまざまなレベルの支援者などがいるからだ。アラン・ケイの「布教」とは、彼の考えに賛同してくれるオトナを増やそうとする行動なのだ。
「アーティストは彼をとりまく環境に順応しない。変えていこうと考える。だから私は京都へ来たのだ」


[参考リンク]
多言語化Squeakのホームページ
http://squeak.hp.infoseek.co.jp/
Welcome to Squeak
http://www.squeak.org/
Squeak Land
http://www.squeakland.org/

・リンク追加:佐々木かをり対談 win-win 第44回 アラン・ケイ
 ここで聞いてきたことと同じようなことを言っててわかりやすい。
http://yamabuki.ewoman.co.jp/winwin/44ak/
[PR]
by radionova | 2004-11-14 02:31 | Event




野望なき適当blog
by radionova
カテゴリ
以前の記事
LINK
検索
ライフログ
最新のトラックバック
WBC優勝
from オペラ座の暇人
福岡市、「九州五輪」構想..
from 創難駄クリキンディーズ200..
たばこのサンプル品
from 懸賞日記:風水で懸賞生活体験記
罩・”球・・・・・‚
from 罩・”球・・・・・・—ャ€…
衆院選2005:各局のデ..
from 不可視型探照灯
署名的コメント&TB集
from 旧阪急梅田駅コンコースを残し..
才能ある人向け
from 芸能門
オーディション
from 芸能門
東京ミッドタウンプロジェクト
from 天道金太の日々是好日
雑誌:スプーン印の本
from Leap before yo..
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧